2024年から、新しい投資制度「新NISA」がスタートし、つみたて投資が超オトクになります。新NISAは、これまでのNISA制度と比べて利便性が大きく向上しており、長期的な資産形成に活用することができるので、今回ご紹介します。
はじめに:お金を増やすNISAって何?
NISAは、個人投資家向けの制度で、NISA口座を開設することで、株式や投資信託などに対する利益や配当が非課税となる制度です。
しかし2024年から始まる新NISAは、これまでのNISAよりもっと使いやすくなっています。
新NISA制度とは?分かりやすく徹底解説
現行NISAから一気に大幅拡充し、新NISAは分かりやすくシンプルになります。
現行NISA | 新NISA | |||
---|---|---|---|---|
積立NISA | 一般NISA | 積立投資枠 | 成長投資枠 | |
生涯非課税枠 | 800万円 | 600万円 | 1800万円(うち成長投資枠1200万円) | |
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
投資枠の復活の有無 | なし | なし | 買い付け額分の投資枠再利用可能 | |
非課税保有期間 | 20年 | 5年 | 無期限 | |
制度選択 | 併用不可 | 併用可 | ||
購入方法 | 積立 | スポット・積立 | 積立 | スポットも積立も可 |
対象商品 | 金融庁が指定する投資信託 | 上場株式・ETF・リート・投資信託 | 金融庁が指定する投資信託 | 上場株式・ETF・リート・投資信託 |
ポイント1 非課税投資枠が1800万円に
新NISAでは、非課税投資枠が大幅に拡大されます。
現行のNISAでは、最大でも800万円までの生涯での投資枠でした。
新NISAでは、最大1800万円までの投資が非課税となります。
ポイント2 非課税保有期間が無期限に
新しいNISAでは、非課税保有期間が無期限になります。
現行のNISA制度では、一般NISAが5年、つみたてNISAが20年と非課税保有期間が定められていました。
新NISAでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」のどちらも無期限となります。これは、30年でも40年でも非課税運用が可能となります。
これまでは期限が決まっていたので期限内にどうにかする必要があったのですが、新NISAではもっと長期的な目でゆったりと投資ができるようになります。
ポイント3 一般NISA(成長投資枠)とつみたてNISA(つみたて投資枠)を同時に併用できる
これまでは一般NISAと積立NISAのどちらか1つしか選べませんでした。
新NISAではどちらも併用可能になります。
変化のイメージとしては下記の通りです。
- 一般NISA → 成長投資枠
- つみたてNISA → つみたて投資枠
少し名前が変わっただけでイメージはだいたい一緒です。
成長投資枠とつみたて投資枠2つ合わせて上限が年間360万円
併用可能なので、投資信託を年間360万円分、目いっぱい買ってもOKです

成長投資枠を使わなきゃと思って無理に個別株を買う必要もないので、
忙しい主婦の方にもピッタリですね。
ポイント4 非課税投資枠が翌年復活する
現行NISAは非課税投資枠を使ったらおしまいでした。
しかし新しいNISAは非課税投資枠が翌年復活します!
つまり、例えば自分が100万円で購入して投資している投資信託などが150万円くらいに上がってそろそろ利益確定しようかなと思ったら、利益確定で売却できます。
そして翌年、そのポコッと開いた、買い付け価格100万円の投資枠が復活し他の投資信託を買うことができます
今までは売却したら非課税投資枠が減ってしまうので、
とにかく長期で放置するしかなかったつみたて投資の投資信託の扱い方がかなり自由になりました。
お金が必要になった時も引き出せる
新NISAでは非課税投資枠は再復活するため、もし急にお金が必要になっても躊躇なくお金を引き出すことができます。
枠復活は翌年だからデイトレードやスイングトレードには使えない
非課税投資枠が再復活するのは翌年なので、
デイトレードやスイングトレードなど短期で回転売買するようなものには残念ながら向いていません。
ジュニアNISAは廃止
ジュニアNISAは2023年末をもって終了することに決まりました。
2024年からは18歳未満の子供はNISA口座を持つことができなくなります。
新NISA制度を始めるお得な方法
新NISA口座を開設するにあたってお得な方法をご紹介します。
2023年度中にNISAを始めた方がお得
新NISAは新しい全く別の制度という扱いになるので、2023年度中に始めれば現行NISAと新NISAの2つの非課税投資枠を持つことができるということになり、
非課税投資枠が拡大しとてもお得です。
新NISA口座も自動で開設
2023年度中に現行NISA口座を持っていれば、
そのまま手続きなしで自動で新NISA口座も開設されます。

2024年度を待たずに早めにNISA口座を開設する方がお得ですね
証券会社はネット証券会社がお得
証券会社には、ネット証券会社と対面型の証券会社があります。
ネット証券会社は、インターネットを通じて取引ができるため、手数料が安く、お得です。
証券会社口座を開設するにあたっての手数料や維持費なども無料です。
投資信託取扱本数 | 取引手数料 | 日本株 | NISAで買い付けできる海外株 | |
---|---|---|---|---|
ネット証券会社 | 2000本前後 | 0円 | ○ | ○ |
対面証券会社 | 数百本程度 | 2800円前後から | ○ | ✕ |
銀行 | 数10から数百本 | ー | ✕ | ✕ |
独立系ファンド | 1から数本 | ー | ✕ | ✕ |
ロボアド専門 | 1本 | ー | ✕ | ✕ |
銀行などでつみたてNISAをやっていた人は特に注意
例えば銀行で現行のつみたてNISAをやっている人。
今までは株の取り扱いがない銀行でも投資信託しか買わない場合などでは問題はありませんでした。
しかし新NISAでは成長投資枠も使うことができるようになるため、
銀行ではなく幅広い商品を扱っている証券会社の方がいずれ投資信託以外の商品も買おうかなと思った時にやりやすいのでおすすめです。
低リスクで資産運用シミュレーションしてみました
金融商品の中では低リスクと言われる想定利回り年率3%の商品で金融庁のホームページでシュミレーションしてみました。
毎月1万円のつみたての投資信託シュミレーション
- 毎月積立1万円
- 想定利回り年率3%
- 積立期間20年
金融庁HPより
240万円の元本ですが、20年で約88万円の収益です。
しかも通常は88万円の収益に対して20%税金がかかってくるところ、NISAを使っていれば約88万円すべて収益となります。
例えば子供が生まれた時につみたて投資を毎月1万円していたら、20歳になった頃に約330万円になってる計算です。

子供の大学の費用などにも助かる感じですね
新NISAまとめ
新NISAは今までの現行NISA制度をいろんな専門家たちの意見を取り入れながら、みんなが使いやすくなるように大幅に改良されました。
- 非課税投資枠が拡大
- 非課税保有期間が無期限化
- 売却で投資枠が翌年復活する
など、利便性が大きく向上します。
100円からなど少額でも始められて、誰にでもとってもお得な制度なのでで是非長期的な資産形成に取り入れてみてください。
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